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コープさっぽろとデジタル推進本部の「現在」と「これから」

2020年に就任以来、既存の仕組みにとらわれずデジタル化で組織・事業・サービスをリードする改革を行うなど、コープさっぽろにてDX戦略を推進している長谷川CIO。着任3年を振り返って、コープさっぽろの魅力やDX推進の取り組み、求める人材について連載形式でお伝えします。初回はコープの特長と、デジタル推進本部の人員構成やミッション・ビジョンについて、採用広報担当が聞きました!


コープさっぽろで働くことが社会貢献になる。本当にお客様のことを思って仕事できる環境

ー 長谷川さんはコープさっぽろに入協されて3年ですが、どういったところにコープの特長があると思いますか?

株式会社とは違う魅力がありますね。コープは生活協同組合というのですが、「株主=北海道の組合員さん」みたいなものなんですよ。生活協同組合は文字通り「生活をともにする組合」なので、出資者である北海道の組合員さんの暮らしを良くすることが我々の存在意義になります。このように、コープの特長は非営利で「出資者への供給と還元」を一番に思っていることですね。「北海道のインフラ」だと自負しています。

今年10月に、北海道の組合員さんは200万人を超えたんですよ。この数字は、北海道世帯数の約80%にあたります。つまり、北海道のほとんどの世帯の方々が我々の組合員になってくださっている。我々が、SDGsが認知される前から社会貢献に力を入れているのは、こういう背景があります。
コープさっぽろのSDGsの取り組みについて(2023年)

我々は、組合員さんに供給しているのであって、“売っている”のではない。一般に言う「売上高」のことを「供給高」と言うんですが、コロナ禍で外食が減って内食が増え、コープさっぽろの供給高が上がった際には、株式会社の代表取締役社長にあたる役職であるコープさっぽろの理事長から「組合の皆さんからお金を貰いすぎているので、年度末に還元セールをしましょう」という発言が経営会議で出ました。そんな組織なんですよね。

株主や売上も気にしなきゃいけない事業会社と違って、我々は本当に組合員さん、お客様のことだけを考えて動くことができるし、もちろん、私が見ているデジタル推進本部も同じ思想で仕事をしています。
私は、コープさっぽろで働くことが社会貢献になると思っています。かつ、北海道世帯の8割が組合員ですので、影響力がすごく大きい団体だと思います。

「ITの民主化」に取り組み、生産性向上を狙う


ー コープの事業は社会貢献にそのまま繋がっているんですね!長谷川さんが束ねているデジタル推進本部は、その中で今どんなミッションで動いているんですか。

職員約4000人、パート・アルバイト含めて約1万5000人が気持ちよく働けるIT環境の整備と、お客様に素晴らしいサービスを提供するという2つのミッションがあります。

CIOとデジタル推進本部は一体となって動いているので、私のミッションをもとに、デジタル推進本部についても紹介したいと思います。「コープさっぽろと関連事業が組合員にとって素晴らしいサービスを提供している」とありますが、コープさっぽろには、主要事業の小売・店舗事業ではなく、エネルギー事業や旅行代理店など様々な子会社の事業を持っているため、それらも含めて組合員さんに素晴らしいサービスを提供しよう、ということを掲げています。

そもそも、デジタル推進本部配下には、企画開発部門と保守運用部門の2つの部に分かれています。2つの部門内に、トドック(※1)サイト・トドックアプリチーム、組織内の業務効率化を担うアップシートチーム、アプリケーション導入やトドック以外の様々なシステム改修などを担うプロジェクトマネージャーチームがあります。
(※1)トドック:コープさっぽろのインターネット宅配システム。Webサイト版とアプリ版があり、45万人超に利用されています。(https://todok.sapporo.coop/

組合員さんそれぞれの好みに合ったデジタル化を推進

就任して以来、部門のみんなと、インフラなど基盤整備から段階的にDXを進めてきました。「すべてをデジタル化して効率化すればいい」ということではなく、組合員さんむけと組織むけで少し違うアプローチをしています。最終的に、「組合員さんそれぞれの自分の好みにあったやり方でコープのサービスを使える」状態を目指しています。全てが最新にデジタル化されると、かえって不便になることも起こりえますから。

例えば、移動販売車「おまかせ便カケル」(※2)。高齢化や過疎化などで増加する買い物困難者をサポートするためのサービスですが、「現金おろし忘れた、ATMが遠くてなかなかお金を引き出しに行けない」という高齢のお客様が多くいらっしゃるんですね。効率だけ考えてキャッシュレス決済に集約するのではなく、お客様の実情に合ったサービスを提供することこそが解決策と考え、移動販売車に地元の信用金庫のATMを搭載しました。

(※2)おまかせ便カケル:北海道の買い物が困難な方をサポートするための移動販売車。詳細はATMまで搭載!コープの移動販売「おまかせ便カケル」が運ぶものとは をご覧ください。

このように、組合員さん向けには「それぞれの自分の好みにあった使い方ができる」という解決方針でのデジタル化を推進しています。やみくもに提供者側の都合だけでアナログを排除することが我々の仕事ではない、ということです。まさに我々らしい「組合ならでは」の考え方で、「非効率なことでも、お困り事のある人を救うために、やるしかねぇべ」と考えるので、これもある意味、社会貢献だと捉えているし、徹底してお客様目線で考えています。

合理的に気持ちよく働いた結果、職員の生産性が向上しているのが理想

ー ビジョンにも生協の考え方が活きているんですね!組織内のイメージはどうなんでしょうか?

一方で、組織内のイメージで言うと、脱・アナログを徹底的に強化しています。組織内のデジタル化を推進したことで、いい感じに変化しています。「組織内の透明性」という点では、Slackを取り入れたことで、組織内コミュニケーションが活発になり、誰でも全体把握ができ、意見が言える団体になってきてるなと感じています。

また、我々の資料は、クラウド上に保存して、必要に応じて営業部や経理部など違う部門でも見ることができるように権限設定していて、透明性を高くしています。おそらく他の会社だと部門で横断はできないようになってることも多いんじゃないかな。

「合理的」という点では、PCだけでなくスマホやタブレットも活用を推進しています。合理的に気持ちよく働けるよう環境を整備した結果、生産性向上が実現できている状態が理想、という考え方なんです。これは順番を間違えてはいけない。我々はみんなが気持ちよく業務ができることを目指して、日々取り組んでいます。

コープ全体の業務をITで改善できる存在に

ー 手段のためのDXではなくて、「仕事をしやすい環境」をつくるのは、皆さんにも喜ばれそうでとてもいいですね。2024年以降に力を入れていきたいことを教えてください!

1万5000人の職員のデジタルリテラシーの底上げをし、事業部が自律的に業務改善を進められる状態にしていこうとしているんです(※3)。現状、コープ内でのエンジニアの割合は、全職員の1~2%ですが、今後は10%に増やしていきたいと思っていて、全職員の10人に1人はエンジニアが在籍しているという組織にしていきたいと思っています。
(※3)今現在取り組んでいる具体的な内容はこちらのnoteを参照ください。
業務改善のヒントを見つけて、各部署に持ち帰るためのデジタル勉強会
コープさっぽろのデジタル推進本部では内の環境整備は着々と進んでいます。今後は業務部門と連携して、より良いサービス提供のために本質的な改善をしていける存在になりたいと考えているので、この辺りはまた次回、ということで(笑)。
ー はい!ありがとうございました。

CIOの長谷川さんへのインタビュー第1弾でした!長谷川さんと部門が一体となって、DXによってコープさっぽろの働き方を変え、職員が主体的に業務効率化やお客さまへの価値を生み出せるような仕組みづくりをどんどん進めています。デジタル推進部は、2024年もどんどんチャレンジしていきます!
次回は、デジタル推進部のロードマップ、成功プロジェクトなどを詳しく伺います。お楽しみに。

コープさっぽろでは、一緒にDXを推進してくれる仲間をいつでもお待ちしています!
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