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「当たり前は当たり前じゃないと気付いた」にしやんのサイト刷新プロジェクト

みなさんは、コープさっぽろのアプリやECサイトがリニューアルされたことはご存知でしょうか?

以前インタビューをした、高田さんが担当されていた(いる)プロジェクトが、このサイト刷新プロジェクトなのです。

今回は、そのプロジェクトを一緒に進めていた宅配本部の職員に、プロジェクトの裏側のお話を聞いてきました!!

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ーにしやんさん、今担当されているお仕事内容を教えてください。

にしやん:宅配事業本部に所属しているにしやんです。2015年に新卒で入協しました!配達員などを経て、現在は宅配事業本部でアプリや、Eトドック、トドックサイトの運用をしたり、問合せの返信等を行っています。
宅配事業本部の中にもいろんな部門があって、その中で私は宅配企画部という、組合員の皆さんのお手元に届く冊子や用紙類ありますよね?注文用紙・週刊トドック(商品カタログ)などの注文ツールですが、その企画をする部署にいます。

ーなるほど、ありがとうございます。今回サイトが変わったことによって、にしやんのお仕事は変わりましたか?(率直に)

にしやん:そうですね。今までやりたくてもできない。みたいなことが結構多かったんですよね。例えば、アプリではお知らせを書くところがあるけど、WEBサイトではお知らせを書くことが出来なくて、組合員さんにサイト上でお伝えすることができなかったりしたんですよね。そういうサイトや、商品を育てて組合員さんに伝えるという行動ができるようになったのは、すごくうれしいですね。

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あとは、作業がとても楽になりました。今までって一つの商品を登録するのに52項目を手作業で一個一個登録しなければいけなくて、、、。
でも、サイトを見てもらえるとわかるのですが、表示される情報量ってそんなにないじゃないですか。新しいサイトではそんなに多く入力しなくても良いようになったり、すごく作業が楽になったという効果もありました。

ーわー。それは良かったですね!52個、想像しただけでつらいです・・・。すごくいじわるな質問なのですが、形が変わる中で、今までのままでも良かったのかなとか、もやもやーっとしたような感じって感じることなかったですか?

にしやん:うーん。。。私自身が変わらない方がよかった!!って思う事はないのですが、組合員の方から、二段階認証になってわかりづらくなった。とか、サイトが使いづらくなったというご意見をいただく事はあって。そんな中でも私がすごく印象に残ってるご意見が、「印刷ボタン」なんですよね。

ECサイトで注文した後、頼んだ商品を確認したいなー。って思ったら、私たち世代ならサイトに行って確認しますよね。でも、トドックのユーザーさんたちで今回ご意見をくださった方々は、パソコンで注文し終わったあと、(旧サイトにあった)印刷ボタンを押して、印刷をして冷蔵庫に貼って確認をしたり、届いたものが合ってるかどうか確認をしたりしているんだそうです。新サイトを作る過程で、私たちは印刷ボタンを不要だと思って取り除いたんです。でも蓋を開けてみたら、組合員さんから「印刷ボタンが欲しい」というご意見を多くいただいて。。。

最初ご意見をいただいたときは、「印刷ボタン!!」ってとても衝撃的だったんです。必要なのか!電子で頼んだものを紙に印刷するのか!!!って。

私たちが普段インターネットを活用して買い物をする時は、スマートフォンだったり、パソコンで買ったら、そのサイトで履歴を確認したり、内容が確認できるのが当たり前で、再度確認したい時は、サイトを開くという使い方をしてますよね。でも、多くの組合員さんは「印刷をして手元に残したい」という想いを持たれているというのが、ご意見をいただけたことで分かったんです。

その時に、私は
「あぁ、私たち世代の当たり前と組合員さんに多い世代の当たり前に大きな違いがあるんだな」と気づいたんです。

もちろん、おしゃれなサイトにすることだったり、使いやすくすることだったり、他のWEBサイトやECサイトと同じようにすることだったり、すごく大事なことですよね。ほかのサイトを使っていて、コープさっぽろのサイトを使いづらいと思っている方々に使ってもらえるようになるためには、既存のECサイトと似たような形にした方が、ユーザーの皆さんもストレスなく使ってもらえることが出来ると思うんです。

でももしかすると、トドックをメインで使ってくださっている世代の方からすると、すごく使いづらくなってしまうかもしれない。と思うと「私たち世代が正しい」と思って進めようとしていることも、組合員さんに多い世代の方々にとってはそうじゃないこともあるかもしれない。という「当たり前」の違いを考えなきゃいけないな。って思うんです。

ー認証方法のお話なんかも一時slackで出てきていましたよね。

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にしやん:そうですね。新しいサイトになったときに今まではメールアドレスとパスワードだけで入れていたものが、メールアドレスにパスワードが送信される二段階認証に切り替わったんですよね。そうなると、「今までと違うやり方」という時点で、「わからない」「なんでこんなことするんだ」っていうお話になったりして、「今までと違う」という事が、こんなにも人にとって苦痛というか、嫌なものなんだな。というのも今回すごく勉強になりました。

二段階認証も、パスワードや会員番号を入れるというのも、トドックのサイトだけではなく、他のサイトでは当たり前に行ってることですよね。でも、「自分がいつも使っているトドックサイト」では、今まで存在しなかった物じゃないですか、なので「いつもと同じサイトを、いつもと違う使い方をしなければいけない。」という点がわからなくさせてしまう要因なんだろうなぁと感じたんです。

でも、トドックが使えないと、来週の食材が手元に届かないかもしれない方がいたりするんです。トドックって人の生活を支えていて、生活に必須なものになっているんですよね。だからこそ、「使えなくてもいいじゃないか」じゃなく「組合員の方にとって使いやすいもの」を追求していく必要があるよな。って改めて感じました。

ーコープさっぽろは、組合員さんの生活インフラですもんね。

にしやん:はい。ただ注文されたものを届けるだけの仕事じゃないんですよね。私が宅配での配達経験があるから、すごく身内びいきな意見かもしれないですが、トドックというサービスがここまで長く続いたのは、宅配員と組合員さんの間に信頼関係があるからこそだと思ってるんです。頼まれたものを届けるだけじゃなくて、元気かなー。って配達時にお話をしてみたり、電球変えられなくて困ってるおばあちゃんの電球交換を手伝ってみたり、注文の仕方がわからなかったら、その場で一緒に書いてみたり「組合員さんの生活がよりよくなるために」一番身近なところで、近い距離でお手伝いをしているのが宅配員だと思うんです。この温かさがあったから、トドックって長く続いてきたし、これだけ多くの方に利用してもらえているって思うんです。
でも、ECだったりWEB利用が増えるとこういう温かさってなくなっちゃうのかな。ってふと思うんです。形を変えてでも良いのでこういう温かいものが、組合員さんのもとに届くようなものになったらいいな。って思います。

まとめ
みなさんは、にしやんのこのお話を見てどう思いましたか?私は、お話を聞いて率直にコープってすごいなぁ。って思いました。すごく冷たい言い方をすると、一般企業がサービスを作るときって「使う人を選んで作るもの」だとも思うんです。こんな人に使ってほしいな。こういう人に使ってほしいなってペルソナを設定すればするほど、使わない人、サービスの対象にならない人も出てきてしまいますよね。

でも、コープさっぽろの事業体は「生活協同組合」です。
組合員さんの生活をよりよくすることが、存在意義であり、大事にしなければいけないことなんですよね。そうなると、既存の利益を追求したサービス開発の手法だったりプロダクト開発の手法ってもしかすると、コープのプロダクト開発には当てはまらなくなるのかな。って感じたりもしていました。

それでもにしやんの話を聞いていくうちに、こんなに組合員さんのことを考えて、わかろうとしている人がサービス側にいるなら、そして高田さんのように徹底的にユーザーのためにを考えるリーダーがシステム側にいるなら、一歩ずつ一歩ずつ、良いWEBサービスやアプリに改善を繰り返しながら近づいていくんじゃないか。そんな気がしませんか?
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今後も、いろんなシステム開発や更改がバシバシ進んでいく予定なので、現場から引き続きレポートしていきますー!

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ご覧いただきありがとうございました!

話し手:にしやん
聞き手、文:にーおか