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保護者の家事負担軽減と子どもたちの笑顔のために!札幌市内の児童クラブ120カ所へのお弁当提供を実現するまで

「北海道の生活インフラ」として、宅配以外にもさまざまな事業を展開するコープさっぽろ。「夏休み中の保護者の家事負担を少しでも減らしたい」と、7月26日(水)〜8月18日(金)までの土日祝日及び8月14日を除く平日16日間、札幌市内の対象児童クラブ120カ所に実施された昼食提供事業もそのひとつです。

利用者から多くの反響があったこの取り組みは、部門を超えた連携により実現しました。今回は、配食事業部の小林未来生さん、デジタル推進本部システム部の川口太輔さん、広報部の多田希さんに、実現までの道のりややりがい、今後に向けた想いについて伺いました。

「人と食をつなぐ」事業の一環として、児童クラブへの配食をスタート

みんなでお弁当を食べる様子

ー 「児童クラブにおける昼食提供事業」とはどのような取り組みでしょうか?

小林:夏休み中の家事負担の軽減を目的に、札幌市の120カ所の放課後児童クラブで、一定の費用負担のもと約2週間お弁当を提供するという事業です。今年で3回目となる札幌市の公募に、昨年に続き応募し、プレゼンを経て弊協での実施が決まりました。

コープさっぽろでは、2021年から道内3市町村の小・中学校へ「スクールランチ事業」や、幼稚園への昼食提供を展開しています。児童クラブへの配食事業は初の取り組みですが、これらの事業で培ったノウハウを活かせると考えていました。

同時に、私たちも「事業部の生産性を高める」良いチャンスでした。夏休み中は学校への配食が無いため、配達に関わる人的リソースや車が余りがちです。今回の取り組みに挑戦することで、夏季休暇中の人員や配達車両を効率良く活用したいという狙いもありました。

児童会館ランチのメニュー

ー この事業における、皆さんの役割を教えてください。

小林:札幌市や利用者との窓口は、主に配食事業部が中心となって進めますが、注文サイトの構築やデータ加工などは、私たちだけでは実現できません。そこで、システム部や広報部の力を借りることとなりました。

注文サイトの開設やサイト内のデザインなどは広報部に、受注したデータの処理・加工はシステム部に協力してもらいました。中でもシステム部は、「Zapier(ザピアー)」やGoogleスプレッドシートを使って、ECサイトの注文データをもとに配食工場に発注する食数表を作成するなど、受注から配送に至るまでのデータ処理業務を幅広くサポートしてくれました。

3部門でアイディアを出しながらオペレーションを開始

ー お弁当はどのような方法で受注されたのでしょうか?

川口:児童会館へ配布されたチラシに掲載されている二次元コードを、保護者の方が読み取ることで、ECサイト内で注文していただけるという仕組みです。

通常ECサイトを一から開設するには、高額な費用と半年ほどの開発期間を要します。しかし、4月に本事業を入札してからECサイト構築に費やすことのできる時間は約2ヶ月間。そこで、工期と費用、決済機能などを総合的に鑑みて、ECサイトのSaaSを使用することが最適だと判断しました。

ー SaaSの設定や運用で苦労した点はありますか?

多田:SaaSは手軽さと低コストがメリットである一方、汎用性に欠ける部分があり、必要な機能を備えた注文サイトにアレンジするのに苦労しましたね。

川口:例として挙げられるのが受注情報の管理のしづらさです。通常のECサイトであれば、商品に対して複数の項目(配食場所、ごはんの大小、配送日)を設定することが可能です。しかし、今回使用したECサイトのSaaSは1商品に対して指定できる項目が1つだけだったんです。

そこで考えたのが、「児童クラブ名・弁当名・日付」で名前をつけてSKU単位で商品1つ1つを登録し、表示する方法です。注文後に工場へ発注する際のデータが加工しやすくなるよう、商品名に規則性を持たせるなど工夫もしました。

ー システム部として、受注後の業務で大変だったことはありますか?

川口:今回の事業は札幌市からの受託で共有できる情報に制限があったため、情報の「管理と共有」には細心の注意を払いましたね。

お弁当の製造を行う関連会社・コープフーズであっても、個人情報が掲載されたスプレッドシートは共有できません。同時に、児童クラブへお弁当の配達数を事前に伝える際も、個人情報の扱いには気を配る必要があります。受注から配達までの一連の流れで、「誰にどの情報を伝えるか」を整理し、スプレッドシートの閲覧制限を細かく設定するなどして対応しました。

その一方で、必要なデータはシステム部だけではなく、札幌市や利用者の窓口となる配食事業部とも共有できないといけません。既にコープさっぽろ内で浸透しているZapierやスプレッドシートを利用し、配食事業部のメンバーがメンテナンスしやすいようなシステム環境を整えるように心掛けました。

予想をはるかに超えた注文数!身近な人を笑顔にする喜びを実感

ー 今回の取り組みでは、予想以上にたくさんの反響があったそうですね?

大きな口を開けてご飯を頬張る児童

小林:最終的に、総食数は想定の9,000食を上回り、16日間で延べ11,394食のお弁当を児童クラブに届けることができました

配食事業部へのSlackには、「お弁当を作る手間、暑さで傷む心配などから解放されて大変助かっている!」「子どもの好きそうなおかずに野菜のおかずとバランスがよく、親としても罪悪感なく利用できるサービス」など職員からたくさんの喜びの声が投稿されています。

川口:配食事業部が後日利用者に実施したアンケートでは、「サービスがあって助かった」という感想を多くいただき、この事業の社会貢献度の高さを実感しました。

ー プロジェクトを通してやりがいを感じたことはありますか?

笑顔で完食を報告してくれた児童

川口:お弁当を申し込んだ同僚が、「今日、子どもが通う児童クラブに届くんですよ!」と嬉しそうに教えてくれて、「自分が携わったお弁当が届けるべき人に確実に届いている」と感じました。自分の仕事が社会貢献の一助を担っていると感じられるのは、やりがいに繋がりますね

多田:子どもたちが喜ぶ声を聞けたのも嬉しかったことの1つです。広報部の職員が取材のために児童クラブを訪れた際、ワーッと子どもたちが集まってきて「お弁当を作ってくれる人だ!」と瞬く間に囲まれたそうです。「今回の昼食提供で、子どもたちがコープさっぽろに親しみを感じ、好印象を持ってくれていると体感した」と語っていました。

利用者に寄り添った仕組みづくりを

ー 今回のプロジェクトを終えて、感想や改善点があれば教えてください。

川口:時間、費用、人員が制限される中で、3つの部門が知恵を出しながら協力し合い、最後までやり遂げられたのは良かった点だと思います。一方で、想定を超える注文をいただいたことによって、課題も浮き彫りとなりました。

多田:私は、より使いやすい注文サイトへ改善したいと思っています。上述したように、注文サイトの設定が限られていたことで、商品の登録・表示が複雑になり、お弁当を選択する際の見づらさや選択間違いに繋がりました。次回は、「利用者に寄り添う仕組みづくり」が必要だと感じています。

小林:組織内のオペレーションにも課題が残りました。例えば、決済が終わると利用者側では注文内容の変更ができないので、こちらで一度キャンセルし、再注文が必要となります。再注文やメール返信、電話対応のために配食事業部の職員数名が毎日15〜18時まで対応することもありました。人に頼らない仕組みづくりも、システム部と一緒に検討していきたいですね。

ー 今後に向けて意気込みをお願いします!

川口:関連部門で今回の改善点をきちんと洗い出し、システム構成やオペレーションを考えたいと思います。

そして、社会貢献性の高いこの取り組みを、今後より良い形で実現できるよう工夫したいと考えています。

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