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ChatGPTを実務に活かすコツとは? 最新技術やAIツールとの向き合い方

2022年後半からChatGPTをはじめとする新しいAIツールが台頭し、さまざまな業界でビジネスの在り方が大きく変わろうとしています。コープさっぽろも、ChatGPTを実務に取り入れて、職員向けの勉強会を開いたり、活用方法の発表会を実施したりするなど、新しいことに取り組んでいる真っ最中です。

最新技術をどんなふうに活用し、広めているのか、デジタル推進本部 CIOの長谷川秀樹さんと、デジタル推進本部 システム部の林剛央さんにお話を伺いました。

正解ではなく、たたき台を生成するのがChatGPT

ー なぜコープさっぽろでChatGPTを使用しようと思ったのでしょうか。

コープさっぽろデジタル推進本部の様子

長谷川:ChatGPTを知ったのは、Facebookで友人たちが「すごいものが登場したらしい!」と盛り上がっているのを見たことがきっかけです。ChatGPTの登場はデジタルの歴史の中でも、インターネットの登場、スマホの登場に次ぐ、インパクトの大きな出来事だと思っています。

AIについての議論は10〜20年前から行われていますが、今まではあくまでもエンジニア界隈に限った話でした。

しかし、今回の流れはそれとは異なり、エンジニアだけでなく、非エンジニアの人たちも大いに盛り上がっています。むしろ、非エンジニアの人たちのほうが「これはすごい!」と興奮していて、ムーブメントの大きさを感じずにはいられません。

もう一つ、ChatGPTが「生成系AI」であることが大きなポイントです。ChatGPTをGoogle検索の新バージョンのように捉えている人が多いかもしれませんが、私はそれは半分合っていて、半分間違っていると思っています。

たとえば、法律の知識のある人がChatGPTに法律関係のマイナーな質問をするように、「自分の知っていることを聞く」のは、あまりよい使い方とはいえません。ChatGPTは正解を教えてくれるものではなく、なにかを生成してくれるものだからです。

ChatGPTに「コープさっぽろの歌を作って」と入力すれば、それらしい歌詞が出てきますし、リジェネレートすると違うものが出てきます。これはどちらが正解ということはなくて、好みの問題ですよね。「『走れメロス』の読書感想文を書いて」も同様で、正解はありません。

ChatGPTが生成した、コープさっぽろの歌

そのため、作文に苦手意識のある方や、スピーチなど書き慣れないものを作成する必要がある方にとっては非常に役立つものだと思います。

ー どのようにChatGPTを活用されていますか。発展的な使い方もあれば教えてください。

長谷川:先ほど話したように、ChatGPTに正解を聞くのではなく、生成の補助として使うのがよいと思っています。使い方はいろいろありますが、私がよくやるのはアイデア出しです。

たとえば、私が飲食系企業の代表の方とフードテック(食分野の新しい技術とそれを活用したビジネスモデル)についてディスカッションする必要があれば、「フードテックについて議論すべきポイントを教えて」と入力し、生成されたものをたたき台にできます。

さらに、その企業がカレーチェーンであれば、生成された結果に対して「上記の中でカレーチェーンに必要なものは何?」と打ち込むと、結果がカレーチェーンに必要なメニュー、レシピ、原材料などに絞られていくわけです。

最初の質問に対しては広範囲でのフードテックの話が返ってきますが、質問を繰り返すとカレーチェーンのフランチャイズの話や店舗展開、オペレーション、品質管理など、だんだん絞れてきます。それをもとに「これだけのイシューがあるので議論していきましょう」と先方に提出する資料を作成できるので、とても便利です。

また、Googleスプレッドシートに「GPT for Sheets and Docs」というアドオンを組み込むと、質問を引数として指定しChatGPTからの回答を表示させる「GPT関数」を使えます。都道府県別に人口一人当たりの特定の数値を知りたいといったリサーチも、日本語で打ち込むだけで北海道から沖縄県まで一気にできるんですよ。

競合調査でSWOT分析をするときのたたき台としても重宝しています。絶対的な正解を探すものではなく、アイデア出しやドラフト作成に役立つツールという認識です。

インパクトのあるツールは自然と広がっていく

ー このような最新ツールを取り入れる際、どのように内部浸透を図っていますか。

長谷川:デジタル推進本部として使用を無理強いするのではなく、まずは使いたい人に使ってもらうようにしています。

「それ面白いですね、ちょっと使わせてください!」というアーリーアダプターにアカウントを付与したら、実際に使ったその人が「これ、すごくいいから使ったほうがいいですよ」と自発的に周囲に広めていく。そんな形がいいと思っています。

一律で「管理職以上は使うように」といったところで、関係ない人は興味を持てません。私たちはリテールカンパニーなので、現場に出ている人も多く、デスクワークをしているのは本部を含めた一部の人たちだけなんです。

勤怠管理システムのように全員が入力しなくてはならないものは別ですが、こういう最新ツールは、使いたい人やそのツールが仕事に有用だという人がどんどん使っていけばいいと考えています。

ー 林さんは勉強会のリードをされていると聞きましたが、どのように説明していますか?

林:私も勉強会では「生成系AIは、Google検索のように調べものをするのではなく、文章を作ったり、アイデアを出したりするのに向いています」と話すようにしています。

周囲でも、対外的な仕事をする役所やメーカー、広告会社などが、提案資料や文書を作る際のたたき台としてChatGPTを使い、フォーマットに落とし込んでいるという話をよく聞きますね。

しかし、まだまだ「調べものをするツール」と捉えている人は多いので、そうではなく、正解がないお題に対してアイデアの道筋を立てるために使うといいと伝えていきたいです。

新しいものを積極的に取り入れるカルチャー

ー CIOとして長谷川さんは日々どのように最新技術に触れていますか。

長谷川:私はIT系の友人が多いので、Facebookで誰かが話題にしているものを見て情報をキャッチアップしています。

最新技術が登場すると、Web記事にしたり、YouTubeに解説動画をアップしたりする人がたくさんいるので、それらを参考にしていますね。SNSで知り、Web記事や動画で学び、自分で実際に触ってみる、というパターンが多いです。

ー 他に注目している最新ツールやAI技術があれば教えてください。

長谷川:2023年5月にGoogleが発表した、自然言語でAIと対話するだけでアプリが作れる「Duet AI for AppSheet」に注目しています。

Duet AI for AppSheetの画面

いままでもノーコードやローコードはありましたが、それでもアプリケーションやシステムを開発するためには覚えなくてはならないことが多かったんです。

しかし、ノーコードと生成系AIを組み合わせることで、システム部だけでなく、一般の営業部や商品部が自前でシステムを作れるようになって、よりよい世界が訪れると期待しています。

ー 最後に、コープさっぽろで働いてみたいと思っている方にメッセージをお願いします。

長谷川:コープさっぽろには、ホストシステムのオープン化をしたり、最新技術をリアルビジネスに活用したりと、新しいものを柔軟に取り入れていくカルチャーがあります。意思決定も早く、スピード感をもって仕事に取り組める環境です。

最新技術を使っておもしろいことがしたい、デジタルとリアルビジネスの掛け合わせで可能性を広げていきたいという人は、ぜひ一緒に働きましょう。

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