2024年、新プロジェクト続々始動!
コープさっぽろにてDX戦略を推進している長谷川CIO着任3年を振り返り、コープさっぽろの魅力やDX推進の取り組み内容、求める人材についてお伝えしている本連載。3回目は長谷川CIOが注目する新プロジェクトについて、採用広報担当が聞きました!
バックオフィスシステムへのAI導入
ー 印象に残っているプロジェクトを教えてください!
不正経費を自動で検知するクラウドサービス「Stena Expense」を導入したことですね。これは2022年10月に行ったもので、STEP4に該当します。AIで経費精算・支払いの監査業務を行うことができ、経理部門がこれまで手作業で行っていた監査業務の効率化が進みました。
AIって学習をしないと、聞いても結果を答えてくれず、本当に意味のあるものってなかなかなかったと思うんです。
経費精算のシステムを例にすると、東京駅から新宿駅までのタクシー代を精算する場合、「東京駅」って書く人と「東京」って書く人、「TOKYO」ってローマ字で書く人などいろいろ。これまでは、言葉をきちんと書かないと検知をしてくれなかったけれど、今は金額だけでなく言葉の揺らぎも含めて自発的に検知してくれるんです。
ー 長谷川さんは、AIの業務活用に力を入れていますもんね。クラウドサービスを活用することで、実装や費用も削減できますもんね。
そうですね。コープさっぽろ本部全職員の経費となると、経費伝票は月あたり数千件単位になっちゃう。これまでは、半年に一度、職員3〜4名で丸2、3日を費やして行っていた経費監査業務が、今ではAIが検知した申請書を1人が数時間チェックするだけで終えられるようになり、業務効率化が進みました。
あと、余談なんだけれど、職員の経費精算自体も改善したいね。誤入力があった場合ってあとから通知がくるじゃない?これも、入力時点で検知して通知をしてくれるようにならないか、働きかけを継続していこうと思っています。
ー それが実現できたら本当に便利ですね!ちなみに、AI活用については、他にも既に進行中のプロジェクトがあるんですか?
SlackへのChatGPT連携は、2023年8月に実装しました。その他バックオフィス系(後段の図参照)は特にもっと使っていきたいと思っていて、
どなたかジョインしてくれれば、今すぐにでもやりたいかなと思います。ここは、GPTとかVertex AIの進化のスピード感によってやれることが変わって来ると思っています。ほとんどの大企業は、こういう流動性が高くて新しいプロジェクトに積極的じゃないと感じているのだけれど、コープさっぽろとしては新しい技術で需要にミートして、追随できていることは重要だなって思ってますね。
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職員、ひいては組合員への貢献を目指して
ー 今後どのような開発が予定されているのか、またその中でも長谷川さんが注目しているプロジェクトはどんなものがあるのか、教えてください。
バックオフィス系は、STEP3もしくは4に該当するアプリケーションインフラの整備やシステムの整備を今後も進めていきます。その他、なるべく人が関わる業務をなくして全自動化していこうと思っています。バックオフィス系はこんな感じ。
その他、ほんの一部ですが、先進的な取り組みとして、下のようなプロジェクトが進行中です。
コープさっぽろには様々なシステムがありますが、大別すると商品の在庫管理システム、POSレジ(※)、ECサイトのトドック、この3つなんですよね。
※POSレジ:「いつ・どこで・何が・どれくらい売れたか(Point of Sale)」など店舗の会計情報をリアルタイムで記録・管理することのできるシステム。
コンビニのレジって賞味期限切れで販売できませんってアラートが出るじゃない?スーパーではほとんどやっていないから、「よし!やろう!」と。これが「消費期限POSアラート」プロジェクトです。
通常の商品バーコードは、13文字しか情報が入らないんですが、Paypayなどで使われている2次元バーコードは約1,000文字くらい情報が入るんです。1,000文字あるなら、製造日時以外に、生産地情報や惣菜の最適な調理タイミング、値引きシールを貼るルールなど、色々と情報をインプットすることができます。
だからたとえば商品のラベルプリンターを2次元バーコード化して、製造日時をyy/mm/dd、hh:mm:ss AM/PMといった具合に入れて、賞味期限が切れたらアラートを出すのも、簡単に仕組化できるのでは?という発想なんです。そうすることで、店頭で期限切れの商品を撤去できなくてもレジで検知でき、賞味期限切れ商品の販売がストップできれば、組合の方にとっても良いし、職員の業務も効率化されます。現場の店舗では、こうしたサイクルをうまく回わせている店舗もあるので、まずは、成功している店舗も含めてデータを取りまくって、最適と思われる情報をバーコードに情報として載せて、全体に展開していきたいと思っています。
その他にも、レジでお金を払わずに事前登録で後日決済できる「コープあと払い」のプロジェクトも面白いと思ってます。「コープあと払い」の利用が増えれば、レジの並び時間が減ってお客様も嬉しい、職員はレジの準備金とか諸々の準備が減って嬉しい。メリットだらけなので、ぜひ実現したいですね。
「現場をITで良くする」ーーチャレンジの機会は無限にある
ー DXでどんな未来を実現しようとしているのか、イメージが湧いてワクワクしてきました!
こうしたプロジェクトはね、全てデジタル推進本部が皆で起案したものなんですよ。事業部や外部の開発パートナー、大学発ベンチャーなど、様々な方を巻き込んでプロジェクトが進んでいます。僕ら、SIerじゃなくって事業会社として現場があるから、「現場をITで良くする」に着手しやすく、形にしやすいんですよね。業務改善もできるしプロジェクトを推進することもできる。設計もできるし、実装もできる。フルスタックエンジニアも専門領域を突き詰めたいエンジニアも、関わる方の様々な方向性を認める組織でありたい。チャレンジできる可能性は無限大だと思います。
そうだ、2024年の1月からは、もう一つの柱である「ITの民主化」プロジェクトも本格的に始まります。ここまでは、デジタル推進本部がリードした開発について話してきたけれど、デジタル推進本部の総合職員比率は、全体の1%くらい。総合職員の10%が、Google AppSheetを扱えるようになれば、スピードも幅も広がるよね、という考え方です。
ー 実現するためには、まだまだ仲間が必要ですね!
そうなんだよね。やりたいことややれることはたくさんあるから。今必要なのは一緒に働いてくれる仲間です。「面白そうだな」と思った方は、ぜひ気軽にコンタクトしてほしいですね。
最後に
CIO長谷川さんへのインタビュー企画、第3弾でした。(これにて一旦完結です)
2024年以降のコープさっぽろDX、ますます進化して行く予定です。少しでも興味を持った方、ぜひエントリーしていただけると嬉しいです!
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