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店舗に新しい自動発注とiPhoneを導入した。そしてMDMを導入した話。

これはコープさっぽろ オープン社内報  Advent Calendar 2021 17日目の記事です。

2020年10月にエンジニアとして入協した中内です。

新卒から十何年SIerで金融・小売のシステム開発に携わっていましたが、所謂事業組織に転職し、それから1年が経ちました。「弊社」が「弊協」「弊組合」と書くことも会話することにも違和感なく慣れてきた今日この頃。今回は「弊し…弊協」と言っていた頃からスタートした新しい自動発注導入と一緒に実施したiPhone導入のお話をしたいと思います。

Why iPhone?

 「おしゃれじゃない?」「いろいろ言うけど、iPhoneなんでしょ?」と言ったら身も蓋もありません。新しい自動発注を導入するときに、発注方法も今までと同じでよいのか、タブレット利用のままでよいのか?といった議論をしています。見やすさ、操作のしやすさもですが、議論の中で新システムで作業が減るのであれば、もっと手軽な方法で、片手でさっと発注や在庫確認をする世界でもいいはず、ということから新システムではスマホで発注しようとなりました。

 では、なぜiPhoneなのか。それはいくつかの端末を比較する際に、OSのバージョンがそろえやすいこと、OSアップデート時の検証がしやすいこと、スマホ固有のカスタマイズがされ過ぎていないこと、機種によって手順を変える必要が少ないことがありました。さらに言うと、今後のコープさっぽろの新しい発注やDXを実現しやすい端末環境であることも求められます。普段使っている業務スマホも含めて検討した結果、iPhoneにしましょうとなりました。 

使った、壊した、無くした。端末管理はどうするの?

 業務でも個人利用でも、紛失・盗難・故障はつきものです。どれだけしっかりした方でも「もしも」のときに個人が対応するのは限界があります。また、全店舗分のiPhoneの初期設定やカスタムAppを含むアプリケーション管理を誰がどうやってやるのかも検討が必要です。ここでもやり方を含めていくつか比較検討した結果、すでにMacで利用している、iPadも利用しているということから、株式会社Tooの協力のもとApple製品と非常に親和性の高い「jamf Pro(以下jamf)」の導入を決定しました。

 なお、jamfでは遠隔で端末の所在確認、ロック、リセットができるのですが、端末にメッセージを表示させることもできます。個人的にこういう仕掛けは、怖ーい内容、くすっとする内容、おっ協力しようかなと思わせる内容かどうかでその組織の雰囲気が見えそうな気がしています。こういうセンスを問われるものは非常に苦手です。

ここに数百台の端末があります。作戦は「みんながんばれ」?

りんごのマークの山

 2021年3月時点の店舗数は107店舗。新システムの導入に合わせて1店舗あたり数台配布することが決まっていたので、案件の中では学習期間も考慮して期間半年足らずで数百台のiPhoneの初期設定をする必要がありました。他のアドベントカレンダーにも書かれている通り、並行案件で大盛り上がりの弊協にちまちま1台ずつ設定を手伝ってくれる優しい方ははいても、無理強いお願いはできません。だからこそのjamfの出番になります。

 まずはjamfの前準備、ゼロタッチデプロイと機能制限の設定作成です。初めて設定を作成したときは、株式会社Tooのプロフェッショナルによるジャンプスタートで一緒に検討→ゼロタッチデプロイ→足りないものを設定→追加デプロイ→iPhone初期化→再度デプロイ、と2~3日かけていましたが、今では過去の設定をアレンジして設定の追加と小一時間もかけずに完了するまでになっています。

 で、この後どうするかというと、順次設定が必要なiPhoneの電源を入れていきます。デプロイ用にwifiの設定をしたら、端末に紐づけしたゼロタッチデプロイと制限の内容に従ってjamfがアプリの導入と、iPhoneの機能設定を自動でもりもりやってくれます。この間、手作業が入ることはありません。合間に休憩したり、食事に出たり、他案件のことを考えたりできます。また手作業が少なくて済むので、簡単な手順書を渡して他の方に手伝ってもらえるようになり、最近では複数体制で並行して作業を進めることができるようになりました。

業務に必要なアプリは更新必須。どうやって?

 話は戻り、新しい自動発注がiPhoneで行われるようになると、現場からアプリの改善の声がいくつか挙がってきました。アプリを改修する、バージョンアップするとなると、普通なら店舗の担当者はアプリのアップデートを実行することになります。業務を楽にする、便利なツールにするためには、全店舗での作業完了が不可欠です。普段なら手順書を作成し、全店舗に周知し、SVや店長に実施有無を確認してもらう、最後は電話攻勢も辞さないと考えるのですが、ここでもjamfの手を借りています。アプリは強制的に一斉配信、アップデートしていない端末は一覧検索してSlackで連絡を取る方法を採用しました。Slackもあってのなせる業。結果、9割の端末は2日以内に更新が完了しました。もし普段通りのことをしていたら、誰かが高速道路を走らせて店舗へ向かっていたか、日数をかけて端末を配送して設定、送り返しだったかもしれません。

まとめ

 業務上で端末の初期設定、運用・管理やアプリの一元管理を求められる場合、MDMは強力なツールとなり得ます。どのようなサービスやシステムを導入する場合でも、瞬間的な作業費用や対象台数と継続的な利用費用を天秤にかけたときに損得勘定で気持ちが揺らぐ瞬間は否定できません。ただ、今回導入したiPhone×jamf Proの組み合わせは、初期導入・アプリアップデートの面で新しい自動発注を実現するために効果的であったと思っています。

それでは、来年もよい導入作業を。

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