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AIシステム導入で効率アップ。経理部の業務を改善した経費不正検知システムとは?

2022年10月から、コープさっぽろはAIを活用した不正経費自動検知クラウドを導入し、経理部門の業務効率化に取り組んでいます。

今回は、経理部 部長の中野佳子さんとデジタル推進本部システム部 人事・会計・推進チームの林剛央さんに、経費不正検知システム導入に至るまでの経緯や利用後の効果、そして業務部門が目指すデジタル化についてお伺いしました。

アナログな監査業務の精度向上と効率化のためにAIシステムを検討

ー 経理部門において、AIによる経費不正検知システムの導入を検討した背景を教えてください。

中野:これまで、コープさっぽろでは経費監査業務を目視チェックのみで行ってきました。

担当者が申請した経費伝票は、各本部長の承認を得たのち、領収書が添付された状態で経理部に回ってきます。最終の監査は業務監査部門で行いますが、担当者によって着目するポイントが異なるため、監査レベルに違いがでてしまうという課題がありました。

また、監査に関わる現場の作業量の多さも問題でした。これまで疑義がある申請が発生した際には、過去の書類を全てひっくり返してチェックしていました。コープさっぽろ本部全員の経費となると、月あたり数千件にも上ります。半年に一度行っていた再チェックは、職員3〜4名で丸2、3日を費やすほど大変な作業でした。

このような背景から、属人的になっていた監査の精度を上げ、多大な時間を要するチェック作業を効率化しようと、自動で不正検知ができるシステムを検討し始めたんです。

ー そんな中、昨年導入した不正経費自動検知クラウド「Stena Expense」とは、どのようなシステムなのでしょうか?

https://expense.stena.chillstack.com/

林:AIを活用した不正や不備、異常な経費利用を洗い出すクラウドサービスです。

コープさっぽろの経費精算データを、Stena Expenseにアップロードすることで、重複や不備のある申請が自動的に検知される仕組みになっています。

例えば、一般的なタクシー料金や公共交通料金と比較して極端に高かったり、他の従業員と明らかに異なる料金を精算していた場合は、蓄積されたデータと比較されて「不適切な申請」と見なされます。

わざわざ1項目ずつ人の目で精査をしなくても、疑わしい申請を数十分で自動検知できるのが特徴です。

検討から導入まで約3ヶ月のスピード導入。得られた効果とは?

ー Stena Expenseの検討から導入まで数ヶ月で進んだそうですね。どのような流れで導入に至ったのでしょうか?

中野:複数のサービスを検討していましたが、システム部に協力してもらいながら最適なツールを精査し、費用感や導入の流れを鑑みてStena Expenseに決定しました。

林:早急に導入したいという目標があったので、コープさっぽろ用に1からシステムを作る選択肢は除外していました。その点、Stena Expenseは既に必要なシステムがパッケージとして提供されていました。

経理部とシステム部が運用のデモンストレーションに同席し、しっかり不正を検知できるイメージが沸いたことも決め手となり、検討から約3ヶ月のスピード導入となりました。

中野:導入後には、経理部が主導となりSlackを通じで全体周知を行いましたが、特に大きな問題もなくスムーズに運用を開始できましたね。

ー 実際にStena Expenseを活用してみて、どのような効果が表れていますか。

導入事例」としてご紹介いただきました

中野:導入してから約1年が経ちますが、疑義がある申請が確実に検知されているように感じます。

例えば、未申請だと勘違いしてWeb上で出力できる領収書を重複して出してしまったり、日当を出す際に日付を間違えたりなど、故意ではなくても誤った申請をしてしまうことはあると思います。これまで人の目では気づきにくかった事例も、AIでは自動的に「おかしい」というフラグが立つので、経理部としても発見しやすくなりました。

検知に至るまでの時間にも変化がありました。重複申請は発覚するまでに時間がかかります。しかし、Stena Expenseは、蓄積された過去のデータと比較するので、データを取り込んだ時点で不正を検知できます。そのため、不適切な申請をより早く察知できるようになりました。

また上述したように、これまで再チェックのために、3〜4名体制でまとまった時間を要していましたが、今ではAIが検知した申請書を1人が数時間チェックするだけで終わります。結果、かなりの時間短縮が可能になり、空いた時間で他の業務にあたることができています。

システムの導入は、職員に対しても「しっかりチェックしている」という牽制に繋がり、誤った申請の数も今後減っていくのではないかと感じています。

更なる業務効率化のために。目指すは人を介さない監査システム

ー 今後経理部で、AIツールやシステムを使って更に取り組みたいことはありますか?

Stena Expenseの仕組み

中野:今後は、監査に関連する業務がデジタルで一貫してできるよう、経費伝票や領収書などの書類をデータ化していきたいです。

現状は、AIで疑義が検知された場合、実際の申請内容を確認するために紙で保管した伝票を見直す作業が生じています。しかし、経費申請に関わる書類全てをデータ化できれば、紙での出力や伝票の照合作業が不要になります。

今まさにその仕組み作りに向けて動いている最中で、あと2ヶ月以内には完成する予定です。

林:私は、経費精算システムと不正検知ツールの自動連携を将来的に行いたいと考えています。

Stena Expenseを使用する場合、データをアップロードしてから不正検知するまでの時間は短いですが、経費精算のデータをシステムから抜き出してアップロードする作業に手間と時間がかかっています。そのため、例えばデータ連携などを含めて、経費精算システムに不正検知機能を組み込めるように改善できたらと考えています。

このスキームが整えば、今まで支払い済みの経費に対して後追いで行っていた検知が、承認段階でできるようになります。まだまだ先の話になるかもしれませんが、経費システムと不正検知ツールが連携し自動化することにより、更なる業務の効率化を目指したいですね。

現場の「良かった」がやりがいに。複雑な業務部門のデジタル化を着実に実現!

ー 経理部とシステム部が連携しながら業務効率化を進めている様子が伝わりました。経理部にとって、システム部はどのような存在でしょうか?

中野:経理部は特に紙の使用頻度が多いなど、まだまだアナログな面がたくさんあります。システム部と連携しながら、今後もどんどんデジタル化を進めていきたいと考えています。

システム部は、そのために必要となるツールの提案やシステムの構築など、適切にサポートをしてくれています。距離感が近く、協力体制があるのは頼もしいと感じています。

ー 林さんは人事・会計・推進チームのリーダーとして、コープさっぽろ内部のプロジェクトを担当されています。業務部門との仕事が多い中で、どのような場面でやりがいを感じますか?

人事や会計などの業務部門は、コープさっぽろ独自に工夫し発展してきた部分が多い部門だと感じています。それぞれの業務が複雑に絡み合っているため、いざデジタル化を図ろうとすると同時に他のシステムも変更しなくてはならない場合があり、各所で調整が必要になります。

しかし、今回の経費不正検知ツールの導入のように、調整を重ねて現場が抱えている課題に対して解決できるツールを導入してみて、経理部の方から「導入して良かった」といってもらえると、取り組んで良かったと感じます。

少しずつでも現場の業務の負担が減り、喜んでもらえることが私のやりがいとなっています。

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