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技術顧問の道(2)技術顧問としてしていること

2023年からコープさっぽろデジタル推進本部の技術顧問を務めている株式会社えにしテックの島田です。

技術顧問をすることになった経緯や今何をやっているかを書いてほしいという話を、コープさっぽろDX(note)の担当をしているかわぐちさんから受け、2回にわけて、そのあたりのことを書かせていただきます。

前回の記事

2回目となるこの記事では、技術顧問として具体的に何をしてきたかについて記述します。

やっていること

これまでの1年半で取り組んできたこと・取り組んでいることには、主に次のようなものがあります。

  • 技術相談(適宜)

  • アーキテクチャレビュー(適宜)

  • GitHub運用

  • 1on1

  • 部内交流会

  • 勉強会

  • 読書会

  • キャリアラダーの整備

それぞれの取り組みは、下記のような形のフロントページを必ず設け、上位の戦略・価値観などと接続した形で「なぜやるか」を確認できるようにしています。

部内交流会(内部での名称は「システム部ちょこっとカフェ」)の設計ドキュメント

では、最初に示した主な取り組みについて、なぜやっているか・どのようにやっているかを簡単に紹介します。

技術相談(適宜)

これは技術顧問という役割に求められてしかるべきことかなと考えています。
現在は、Slackに「島田への技術相談窓口」というチャンネルを設けて、適宜相談を受け、必要に応じて個別の相談に移るようにしています。
技術顧問として相談はいつでもウェルカムなのですが、相談のプロセスが明確化されていないことで潜在的な相談機会が流れていってしまっている懸念があったため、分かりやすい経路を1つ設けて運用してみています。

アーキテクチャレビュー(適宜)

これも技術顧問という役割に求められてしかるべきことの一つと考えています。
新しいプロジェクトが起こった際には、全体最適の観点で見て適切な判断がされていそうか、心配そうな箇所がないかという観点でシステムの全体構成やその意図などについて点検させてもらっています。

GitHub運用

島田が技術顧問を務めるようになる以前は、それぞれのチームに完全に任せるような形でGitHubの運用がされていました。しかし、リポジトリの数も100を超え、さすがにある程度の統制を取っておく必要性を感じ、そのためにリポジトリやコラボレーターの管理を行っています。具体的には、GitHub Teamsを導入して、チームごとにリポジトリやコントリビューターの管理をするようにしたり、READMEが一定の品質を保つようにしたり、新規にリポジトリが作られた際にはその妥当性を確認させてもらったり、といった活動を通して、GitHub organizationがある程度整って統制が取れた状態に維持しています。

1on1

技術顧問を引き受けるにあたってインタビューを行った際、「こんな風な話をできたのは初めて」という声が複数あったこともあり、定期的にメンバーの声を聞くことが大事だと感じ、1on1を始めました。

2023年3月から始め、20名弱のメンバーの方々と月1くらいのペースで30分会話するということをずっと続けています。

決まった質問を毎回させてもらい、その中で気になった部分を深く聞くという形で実施しています。部で解決すべきと感じた事柄については、本人から了承を得たもののみエスカレーションして対応を仰ぐようにしています。

部内交流会

人同士の前向きな関わり合いが生まれるには、どんな人がいて、どんな仕事をしているのか、どんな経験があり、どんなことを考えているのかといった、お互いに対する認知や理解が必要と考えています。その考えに基づいて、普段仕事上の交流がないメンバー同士で、おやつを食べながら交流する会を実施しています。

第3回までは島田が企画運営する形で実施していましたが、以降は重田さん(※1)に運営を引き継いでもらい、今は島田が直接リードすることなく実施されるようになっています。

※1. 入協エントリー ver.重田|コープさっぽろDX

技術勉強会

1on1の中で出た「勉強会をしたい」という声を拾って、技術勉強会を実施しました。実施してみると、継続的な開催を期待する声が多かったので、継続的な会として実施するようになりました。

第3回までは島田が企画運営する形で実施していましたが、以降は木原さん(※2)、工藤さん(※3)に運営を引き継いでもらい、今は島田が直接リードすることなく実施されるようになっています。

※2. 入協エントリー Tacckさんの場合|コープさっぽろDX
※3. 「仕事をしてなさそう」が目標!?開発から管理業務までこなす、くどーさんが目指す理想の姿|コープさっぽろDX

読書会

エンジニア向けの読書会とマネージャー向けの読書会という、2つの読書会を行っています。

エンジニア向けの読書会では、これまでに以下を読んできました。

  • 『DevOpsハンドブック』

  • 『State of DevOps Report 2022』

  • 『システム運用アンチパターン』

障害演習やポストモーテムを現場で実施してみようというTryが生まれたりと、前向きな行動が生まれる良い読書会を実施できていると感じています。

マネージャー向けの読書会では、これまでに以下を読んできました。

  • 『This is Lean』

  • 『システムを作らせる技術』

  • 『はじめよう! 要件定義』

  • 『プロジェクトマネジメントの基本が全部わかる本』

こちらも、読書会で得た内容を現場で実践しようとしてくれており、前向きで良い読書会が出来ていると感じています。

キャリアラダーの整備

最後は大物なのですが、現在は部内の職能や職位ごとに求められるスキルセットやマインドセットを整理する作業に取り組んでいます。

これまで上記について明確に定まったものがなかったために、

  • 客観的な評価を実施できない

  • キャリアのミスマッチが発生し得る

  • 適切な育成計画を立てられない

といった課題が顕在化してきたためです。

現在は、プロトタイプとして、ジュニア人材向けに上記のドラフトに基づいた育成計画を作成し実施するなど、少しずつ導入に向けての準備を進めているところになります。

終わりに

「それは技術顧問の仕事なのだろうか」と思われるような取り組みも中にはあるかもしれません。

ですが、システムの構造や作り方、健康状態と、そのシステムを実現するエンジニアリング組織が持つ規律や文化、健康状態は相互に影響し合うものであり、どちらか一方だけを処置しても、その効果は長期的には維持できないと考えています。

せっかくのご縁で支援をさせていただくなら、できれば長期的に効果が残る貢献をしていきたいと考え、デジタル推進本部がとにかく「安心」と「革新」の方に前進できるための取り組みを行っています。

2回に渡ってお付き合いいただきありがとうございました。さらなる報告ができるよう、引き続き精進していきます。

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